「心の強さ・素直さ・好奇心」にプラスして、理解力・思考の深さ・伝える力をもった仲間を探したい
今回のあらすじ
今回のインタビューでは、葬儀屋の息子が考える仕事の本質と、仲間探しの基準が語られました。
葬儀は、形式ばった単なる儀式ではない、故人とご家族の物語を言葉と空間で表現するクリエイティブな仕事、本気で向き合うほど、どん底から光を見出す振り幅の中で、深い感動を生み出せる仕事だといいます。
現に、葬儀屋の息子の仕事ぶりや発信を見て、一緒に働きたいと手を挙げる人も、このところ増え始めているのだとか
今回は、そんな葬儀屋の息子の思想と現在地が伝わるインタビューの内容になりました。
時間を忘れて没頭してしまう
―― 今日もよろしくお願いします。
葬儀屋の息子:お願いします。
―― 今日は、ノブくんが今、力を入れている仲間探しについてちょっと聞かせてもらいたいです。ちなみに〈日本仕事百貨〉ってサイト、知っていますか?
葬儀屋の息子:分からないです。
―― 求人サイトの一種なのですが、待遇、福利厚生といった、一般的な採用情報が羅列されているだけの求人サイトではありません。
ざっくり言えば、求人を出す企業の側の価値観や、経営者のスタンスを深掘りしたインタビュー記事が、求人情報の代わりに丁寧に言語化されているサービスです。
今回のインタビューは、その日本仕事百貨風に、ノブくんの業務に対する価値観やスタンス、求める仲間たちへの思いを形にできればと思います。
葬儀屋の息子:それはすごくいいですね。
―― それで、早速なのですが、ノブくんから見た葬儀社の仕事について聞かせてください。
これまでに繰り返し、葬儀屋の業界イメージが悪いみたいな話がノブくんからありました。そのイメージを覆すためにいろいろ挑戦しているとの言葉もありましたが、そんなノブくんが葬儀の仕事をしていて、クリエイティブだな、やりがいがあるなと最も感じる瞬間はどこになりますか?
葬儀屋の息子:なるほど。そこを掘り下げてくださるんですね。この仕事のやりがい、最もクリエイティブだなと感じる瞬間は、葬儀の構成と物語を考えている瞬間です。
ご家族と亡くなった方との関係を時間をかけて深掘りし、コンセプトを立ち上げ、どんな物語をベースに葬儀を構成するかを考える。その上で、どのようなナレーションをするか、どのような会場演出をするかを検討する。この仕事をしている時間は本当にクリエイティブで、ある意味楽しんで準備をしていると思います。

ただ、ちょっと注意というか補足が必要で、この同じ作業も、大前提として、熱意がどれだけあるかで、没頭できるかどうかがかなり変わってきます。
それこそ葬儀は、家族と亡くなった方との思い出に助けられてしまう面があります。大事な人が亡くなっているという場の雰囲気がある上に、日常的に受けるサービスと違い、葬儀サービスを比較できる機会が極端に少ないので、言葉を選ばずに言えば頭を使っていない、手抜きのクリエイティブでも成立してしまいます。
それこそ、家族の話なんて一切聞かない、聞いたとしても30秒の立ち話で済ませてしまう葬儀社もあるくらいです。
―― 楽をしようというスタンスで臨む人は、葬儀社の仕事のみならず、どんな仕事をしたとしても、クリエイティブな業務に没頭するといった働き方はできないのかもしれませんね。
葬儀屋の息子:本当にそう思います。
一方で「ご家族の心にどうすれば刺さるのか」を念頭に置きながら作業に没頭できる人にとっては、葬儀社の仕事は本当にクリエイティブだと思います。
一般的に、葬儀の世界のイメージは、厳かな雰囲気と空間の中で、故人の体を奇麗にしているみたいな感じではないでしょうか。
現に、葬儀をテーマにした映画では、故人の冷たくなった体が主役で、その周りに仕える脇役として、葬儀屋が描かれています。
しかし、僕の考える世界観はそうじゃないんです。故人とご家族の間にある物語を深掘りして引き出し、言葉と空間で演出する、その前のめりな営みこそが葬儀の仕事だと思っています。
だからこそ、葬儀社のスタッフに対する呼称としてエンディングプロデューサーという言葉も新たにつくりました。
エンディングプロデューサーの業務の主軸は情熱を伴った関与にあります。ですから今後は、そういう前のめりなコミットメントを楽しめる人を仲間として探していきたいと思います。
どん底にあっても、幸せに気づいてもらおうとするから「感動」が生まれる
―― 前に、ノブくん自身が、人の命のあっけなさを日々の業務で繰り返し目の当たりにして、命の尊さを痛感していると言っていました。
その意味で言えば、葬儀社の仕事はすごくクリエイティブでありながら、自分の人生を日々、問い直すような学びも得られそうですね。
関連:命を削って父が守ってきた会社を、次は仲間と育てていく
葬儀屋の息子:そうですね。ただ、これについても先ほどと同じで「心の純粋さとやる気があれば」という前提が必要です。
何も考えずに、楽をするために、情熱もないままに葬儀社に勤めていると、死に対して鈍感になって、何も思わなくなります。さらに言えば、何かを思っている風に装う技術まで身に付いていきます。
そうした人にとっては葬儀社での仕事も数ある職業の1つにすぎないはずです。
しかし、心の純粋さがあり、やる気に満ちあふれている人の場合、葬儀社の仕事は、毎回の葬儀が命の授業になります。
なぜなら、葬儀の世界は、最も生々しい仕事の1つと言えるはずだからです。
遺体を見て、触れるだけではなく、大切な人を亡くして最もつらい瞬間に直面している家族と向き合わなければいけません。
ドラマであれば、画面の向こう側の世界に共感して泣けばいいだけですが、葬儀の世界は違います。しんどい現実が目の前にあっても、そのリアルな恐怖から逃げるわけにはいきません。ある意味で、人のどん底に向き合う必要があります。
しかし、そのどん底の中にあっても、幸せに気づいてもらおうと本気でプロデュースする仕事だからこそ、お客様の感情に大きな振り幅を生み出すことができ、心を震わせる、大きな感動が生み出せるのです。

この感動を生むために、お客さんを見て、お客さんの言葉に耳を傾けていけば、こちら側にも自然に感情移入が生まれます。
感情移入が生まれれば、自分自身の人生を振り返る瞬間が毎回の仕事の中で生まれます。
そういう感情移入ができるような人にとっては、人生のクオリティを葬儀の仕事が上げてくれますし、仕事そのものが命の授業になっていくのだと思います。
採用の応募者が現れ始めている
―― では、少し違った角度から、これからの仲間探しについて教えてください。
そもそも、ノブくんは、実家に戻ってくるまで、メガベンチャーで人材採用をしていたわけですよね。
その時代を経て、採用の基準というか、ノブくんなりの哲学みたいな部分も培われてきたと思うのですが、いかがでしょう。
ノブくんが人を採用をする際の物差しか何かを教えてもらえればと思います。
葬儀屋の息子:もちろん物差しはあります。まずは、
- ハートの強さ
です。仕事を継続する上での精神的な強さはもちろん、自分の弱い部分にちゃんと向き合う強さを持っているかを重要視します。
―― そんなの、どうやって採用時に見抜くんですか?
葬儀屋の息子:発言の基準値を見ます。
―― 発言の基準値?
葬儀屋の息子:分かりやすく言えば「頑張りました」の基準値です。
―― 例えば「特に目標はなく、ただただ毎日30分勉強しました」と言う人と「難関大学合格を目指して毎日12時間の勉強をこんな計画と工夫をしながら取り組みました。結果、目標達成はできなかったけど、あらためて新しい目標を立てて打ち込み始めています!」と言う人とでは「頑張った」の基準値が違う、そんな感じの話ですか?
葬儀屋の息子:そうです。
―― なるほどー。他には?
葬儀屋の息子:2つめは、
- 素直さと柔軟性
です。しんどい出来事や理不尽な出来事に直面した時、その出来事の原因を自責でとらえるか、他責でとらえるか、その辺を見ます。
―― 具体的には?
葬儀屋の息子:過去を深掘りして、今まで最もしんどい、理不尽な出来事を聞きます。その上で、その出来事を本人がどう見ているかを聞き出しています。
―― この読み物、人事採用の担当者にも役立ちそうね(笑)他にもまだありますか?
葬儀屋の息子:最後は、
- 好奇心
です。同じ場所にずっととどまっていたい人なのか、新しい出来事、変化に対して、どれだけ心と体を開ける人なのか。
特に、これから生まれ変わっていくアルテの初期メンバーは、変化を楽しめる人でないと、ストレスを感じてしまうのかなと思います。
マサヨシさんも好奇心旺盛な人だと思いますが、何でも面白がってやれる人が、今のフェーズでは重要だと思っています。
―― 確かに、これからいろいろチャレンジしていくフェーズですから、変化を楽しめる人でないとちょっとしんどいかもしれませんね。ノブくんも、それくらい日々、新しい何かを求めるでしょうし。

ちなみに、ハートの強さ、素直さと柔軟性、好奇心というポイントは、どれもこれも人間の土台という感じがします。
この土台にプラスして、よりビジネス寄りというか、ビジネススキルみたいな部分では、アルテの仲間たちにはどんな能力を求めたいですか?
葬儀屋の息子:意図をくみ取って間違わずに認識できる理解力の高さ、思考の深さ・速さ・広さ、分かりやすく伝える力です。
―― 理解力、思考力、コミュニケーション力ですね。先ほどの土台に加えて、これらの能力を持っているとなると、なかなかの人材という印象です。
葬儀屋の息子:そのとおりです。このくらい優秀な人の継続的な採用は、田舎では難易度が極めて高いと思います。葬儀業界のイメージを考えてもかなり難しいと思います。
だからこそ、2024年(令和6年)の11月ごろに帰ってきて、その後の年明けくらいから、インスタをやったり、ナレーションをやったりして、業界のイメージだけでなく、アルテのイメージも変えようといろいろ進めてきました。
―― まだ、帰ってきてそれしか経っていないんでしたっけ?
葬儀屋の息子:はい。それでも変化は生まれてきていて、インスタを見て、動画を見て、マサヨシさんの書いてくださった日記を見て、応募してくれる方が現れ始めています。
―― すごい。
葬儀屋の息子:中には、まだ詳しくは言えないのですが、ご家族を亡くした苦しい経験を仕事に生かせると応募してきてくれた、すごく優秀な方もいます。
正直、地方には、このような優秀な方はほとんどいないと思っていたのですが、何らかの状況でくすぶっている、輝ける場所を探している優秀な方が掘れば見付かるのだと知れて、すごくうれしくなりました。
―― 田舎にある葬儀社の人材採用という難易度の高いミッションに変化が生まれ始めていると。
葬儀屋の息子:はい。僕からすれば今は、第一歩を踏み出したという感覚すらありません。思い描いている構想の1/100も進んでいないのですが、それだけの動きでも、このような変化が生まれ始めると、どんどん欲が出てきます。
この動きを加速させるためにも、優秀な人材は積極的に採用していきたいと思っています。
―― インスタを頑張って、どんどん日記も公開していって、メディア露出なんかもしていった先に、採用しきれないくらいの人が応募してきてくれる状況になったらどうします?
葬儀屋の息子:それは、見極め基準を高くすればいいだけの話です。ただ、一方で、これだけの変化で浮かれている場合でもないと思っています。
大切なのは、これからの愚直さです。工夫を重ねながら目の前の仕事をコツコツとやっていく、それ以外の近道はありません。
なので、僕の「第一発見者」であるマサヨシさんにもこれから、高品質なブランディングを長いスパンでやり切ってもらいたいと思っています。
―― ハハハハハ(笑)いいですね。ぜひ、よろしくお願いします。
とりあえず今日は、ノブくんが最もクリエイティブだと思う瞬間、葬儀業界のやりがい、ノブくんが考える優秀な人材像、実際に生まれ始めた採用面での変化などの話が出てきました。
このインタビュー、アルテを受ける方には、ぜひ読んでいただきたいですね。はっきり言って、答案用紙が事前に配布されているみたいな状況ですから(笑)
葬儀屋の息子:確かに! ただ「知っている」と「できる」とでは全く別物だと思っていますが(笑)
あと、先ほどの入社が決まった方についても、仕事が落ち着いてきたら「アルテをなぜ選んだのか?」みたいな内容で取材していただけますか? 3人で話しましょう。
―― それ、楽しそうですね!これから、そんなコンテンツもつくっていけそうです。それでは本日は、この辺にしておきましょうか。
葬儀屋の息子:はい。また、来週もよろしくお願いします!